第2619 回(4月19日)
会場:多摩信用金庫国分寺支店3階
本日の司会:神尾SAA副委員長
会長の時間:鳥居会長
毎月15日に第2750地区のロータリー財団委員会のポリオプラス委員会より、メールマガジンが送られています。それによりますと、先日のポリオ根絶チャリティーゴルフのガバナー賞(優勝)は、東京恵比寿RCの尾形さんとの報告でした。来年は東京小金井RCが幹事クラブで、小金井カントリー倶楽部で予定されていますので、多くの方にご参加頂けるとありがたいです。
本日は、4月も半ば過ぎてしまいましたが、私の仕事である障害者福祉と新社会人についてお話します。私の勤務する法人は、4月が新年度です。新卒の職員と特別支援学校高等部を卒業した新利用者と二つの入社式を行うのが特徴です。
一般的には、社会人ですので入学式や卒業式と違い、家族の出席はない事と思います。利用者は、当法人は主に「知的障害」と言われる障害をお持ちの方です。一般の方の社会人より、ご家族の社会人となった事に感無量感が強いと感じています。その理由は、小学校入学前は療育を、義務教育期も特別支援学校や、特別支援学級での教育を受け、一般のお子さんより家族に負担があるのは否定できません。もちろん、地域の支援や専門家の支援もありますが、ご家族が一生懸命育てられてきています。ご家族にとっても、ご本人にとっても、学校を卒業して社会人になることは、「晴れて社会人になる」感がとても強いのではないかと感じています。
ご利用者の入社式には、ご家族も招待しています。多くのご家族は必ず出席され、一緒に祝っています。専門の写真店に依頼し、記念写真も撮り、その写真の注文も受けています。それに加え異動もあり、4月1日は毎年てんやわんやな法人であります。てんやわんやで大変ですが、先日の卓話で話しましたように、ご利用者が輝いていく姿を見られるのが、この仕事をしていてよかったと思う場面です。
最後に、本日の澤田会員の会員卓話を楽しみにしています。年度初めの4月、新社会人についての会長の時間でした。ありがとうございました。
表彰式
認証状授与:近藤ロータリー財団委員長
受賞者
・ベネファクター:鳥居会長
・ポールハリスフェロー(3回目):富永会員
・ポールハリスフェロー(初回):萩原幹事
幹事報告:萩原幹事
・4月14日にIM実行委員会が開催されました。
・5月23日に開催される IMご参加にあたり、東京都の「PCR等検査無料化事業」を活用して、参加予定者全員に無償で抗原検査キットを事前に送る予定となっております。現在、無症状陽性の方も非常に多く、無意識の中で感染を広めてしまっているケースが多い事から、当日に検査を行っていただき、陽性でない事を確認してからご参加いただく事となりましたので、ご協力をお願いいたします。
武蔵国分寺跡史跡指定100周年イベントの紹介:井澤会員
国分寺市は国の跡史跡指定認定を受けて100年目となっております。そこで100周年に伴い、4月29日(金・祝)にイベントを行います。
午前の部では、いずみホールにて、国分寺の史跡について文化庁の主任文化財調査官をお招きし、講演をしていただきます。定員は200名となっておりますので、ご興味がございましたら是非お申し込みください。午後からは佐渡市から鼓童を呼んでおり、物産展や中学生の合同演奏会などを企画しております。雨が降った場合はいずみホールの中で行う予定です。当日は是非皆さまと100周年をお祝いできればと思っております。
また、ウクライナでは現在も悲惨な戦争が行われていますが、先日、ウクライナ出身、国分寺市在住のソプラノ歌手であるオクサーナさんによるチャリティーコンサートが開催されました。300名の募集に400名程のご応募をいただきました。オクサーナさんはテノール歌手の秋川雅史さんとの親交があり、秋川さんが無料で出演くださいました。多くの方からご寄付をいただき、150万円近く集まりました。市内でも募金活動を行い、60万円近い寄付が集まりましたので赤十字を通してウクライナへ届けております。
今後様々なイベントを行って参りますので、皆様のご協力をお願いいたします。
委員会報告
出席報告:井澤委員
会員数:37名 免除:3名 欠席:4名 出席率:88.2%
※理事会にてコロナ禍特別措置により今年度末までメークアップ済み対応とする事が決議されました。
出席率:100%
ニコニコボックス:井澤委員
鳥居会長・萩原幹事:本日は会員卓話を澤田会員が快諾くださり有難うございます。楽しみにしています。来月は移動例会が続きますが、皆様のご健康を祈念してニコニコします。近藤会員:先週、大髙さんがイニシエーションスピーチをされました。私も妻を亡くして10年経っても淋しい思いをしているので、大髙さんが最後に愛妻を偲んで涙を流されたことに、とても感動しました。大髙さんを応援してニコニコです。飯沼会員:先日うちの奥様の誕生祝いに花券をいただきました。少しニコニコしていましたので、私もニコニコしまーす。井口会員:先週の大髙会員のスピーチ素晴しかったです。本日の澤田会員のスピーチ楽しみです。
イニシエーションスピーチ
澤田 明宏 会員
本日は、会員卓話の機会を頂き誠にありがとうございます。経験豊富・経済にも明るい大先輩の皆様方を前にしてこうしたお話を差し上げることに大変恐縮しております。内容で至らぬ点、お聞き苦しい点等多々あろうかと思いますが、「緊張」が故のこととして、ご容赦頂けますと幸いです。また本日の卓話ではプロジェクタを使用しますが、これにより当日に座席変更が発生し、多数の方にご協力を頂きましたこと、感謝申し上げます。
このあと「ロシアによるウクライナ侵攻の世界経済への影響」をテーマとして話を進めて参ります。2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻から1ヵ月以上経過しておりますが、収束の気配は乏しく、痛ましいニュースに接しない日はない状況が続いています。まずは話に先立ち、この戦争による犠牲者の方々への哀悼の気持ちを示すと共に、早期の平和実現を祈念したいと思います。
さて前方プロジェクタでは、このあと8つのグラフを投影予定です。8つのグラフを切り口に世界経済の視点で分析と、そこから読み解けることをお話させて頂きますが、本日用いるデータは弊行が属する三菱UFJフィナンシャルグループのメンバーである、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が発行する「グローバル投資戦略レポート」を出典としております。こちらのレポートは、本来ならば皆さまのお手元で資料を準備すべきところですが、データソース等の観点から、投影のみとさせて頂くこと、またグラフの表示操作で司会演台とプロジェクタの間を行き来する運営となることをご了解願います。
それでは内容に入って参ります。まずは「地政学リスク指数」についてです。米国で取り纏めた内容ですが、1985年から現在に至るまでの推移を見ると、2001年の米国同時多発テロ、1991年の湾岸戦争に次ぐリスクの高さとなっています。皆さまの実感と比べていかがでしょうか。指数は米国のデータを中心としたものであるので、その傾向が出ておりますが、1991年の湾岸戦争より今回の方がリスクが高いと感じられている方も多いのではないでしょうか。このことは最大のGDPを占める米国経済の減退感は日本よりも少なく、比較的経済は堅調に推移する、日本における実感よりも世界経済は悪くないということが導き出されます。なぜ日本の方が減退感が強いのかを含めて、後ほど内容を深めていきます。
続いて、「世界生産に占めるロシアのシェア」のご案内です。特徴的なのは何れも1次産業の産品であること、多くのもので世界シェアの10%を超えており、ロシアのGDPの世界シェアを3%上回ることから国際間で流通していること、本格的に貿易が滞る場合には「燃料資源」「金属・鉱物」「農産物」等で広範囲に影響が及ぶことが分かります。燃料資源の影響は、日本等のエネルギーを輸入に頼る国で影響が大きく、金属資源の影響は、先端素材を用いる産業で影響が大きく、農産物は食料を輸入に頼る新興国で影響が大きくでます。各国の産業・貿易構造で影響の少ない国と大きい国が分かれる「まだら」模様であると言えます。
次は、「先進各国のエネルギー自給率」です。先ほど「燃料資源」の影響を説明しましたが、実際にその影響が各国でどのように及ぶかをご説明いたします。自給率が100%以上の各国はロシアのシェアが高いことの影響が少ない国々、50~100%の国々では影響が比較的軽微でしょう。50%を下回ると影響が大きくなってきますが、その中でも特に影響が大きいのは、隣国である韓国よりも低い、「日本」です。ヨーロッパのガス供給等が報道では多くなっていますが、いざ世界全体の流通量が低下した際に、残念ながら最も影響度が大きいのは実は我が国「日本」であることから示されています。これが冒頭のリスク指数の感覚で言及しました日米での実感の差に繋がっていると考えられます。
次は、「BloomBergコモディティ指数、米エネルギー強度」です。これが示しているのは、米国はエネルギー浪費のイメージが強いですが、50年の間にエネルギー効率が6割も改善してきているということです。従って世界経済全体を視野に入れた場合、最大規模のGDPを有する米国は、以前の地政学リスクで発生したエネルギーを起因とする経済不況といったことに対して着実に耐性を増してきており、過去に比べて経済への影響は抑制されることが見通されます。
次は「世界の財・サービス輸出」です。過去50年右肩上がり、特に中国のWTO加盟以降、比率は上昇し、国境を超えて財・サービスが動くことが経済規模以上に進んできたことを示しています。今回足許輸入物価上昇という報道に多く接しているかと思いますが、これより日本のみならず、世界全体の多くの国が財・サービスの価格上昇を受けていることが言えます。更に今回のロシアによるウクライナの侵攻を契機として、先進西側諸国とロシアや中国等と経済の分断が進んだ場合、新たな生産設備の投下、供給の制約等で追加コストが発生し、今以上の価格上昇の可能性が見通されます。
次は「輸入制限対象の世界貿易額」です。米中の経済摩擦の激化を背景に、僅か10年の間に急速に輸入制限対象の割合が高まっています。このことは輸入制限等の貿易の制約に対して抵抗感が薄れていることを示しており、今後こうした輸入制限などの措置が相応に発動され、その場合は先ほどと同じく、生産品各種の価格上昇の可能性があることが見通されます。
次はこれまでの分析や発生事象を踏まえて、資金が流れていく、投資が増えていくと予想される産業についての説明です。1つ目は「世界の軍事支出」、その次は「エネルギー供給に占める再生可能エネルギー比率」となります。まず「世界の軍事支出」ですが、経済規模の拡大に比べて軍事支出の増加は限定的に留まり、年々比率を下げてきましたが、こうした国際紛争の可能性の高まり、経済成長著しい中国での軍事支出増加を背景に足許は反転増加してきており、今回のロシアのウクライナ侵攻を受けて一段と高まることが見通されます。
続いて「エネルギー供給に占める再生可能エネルギー比率」です。先ほどご説明した「エネルギー自給率」の低い欧州が先行して大きく伸ばしてきていますが、一方で自給率が100%の米国も着実に伸ばしていることが注目されます。ここでは個別に示せておりませんが、最も「エネルギー自給率」の低い我が日本が経済安全保障の観点からどのような位置付けであるべきかは言うまでもなく、ベンチマークは世界平均でも欧州でもなく、それを大きく上回る水準であり、現状はそれに至っていないこと、そしてその状態の実現は見通せていないことが言えます。
これまで世界経済への影響を解説してきましたが、結論としては、「エネルギー等1次産品の価格上昇」が発生する可能性が高く、この影響でグローバルベースでの経済のスローダウンが発生しそうであるということです。更に少しここを深めていくと、ポイントは、そのスローダウンの影響が世界経済全体で見た場合の度合いの見極めが必要であること、国別で「エネルギー自給率」や「財・サービスの輸出入の依存度」で差が出やすいということが言えます。そして特に日本は影響が大きく出る可能性があることが言えます。正に報道などで盛んに「商品価格値上げ」「悪い円安」等という言葉が飛び交っておりますが、それはその可能性を踏まえたものとして理解ができます。他方でこのことは日本経済の課題を浮き彫りにしたとも言え、前向きに捉えれば、これから我が国が明確になった課題に一致団結して臨める機会と言えます。ロシアによるウクライナ侵攻は非常に悲しい出来事ではありますが、不幸な中の幸いとして日本経済の課題を解決し、強靭化が図られる機会となることを願ってやみません。
改めて本日は斯かる貴重な機会を賜り誠にありがとうございました。